わんちゃん・ねこちゃんに安心して手術や処置を受けていただくためには、術前や術中の状態把握が欠かせません。
全身状態の把握にはいろいろな検査が必要になりますが、その中でも心臓の動きをリアルタイムで監視する心電図は、最も重要な情報のひとつです。
当院では、この手術や処置時の安全性をさらに高めるため、検査機器メーカー様をお招きし、改めてその重要性と観察のポイントを学びました。

1. 心電図の基本「3つの山のルール」
心電図には、P波・QRS波・T波という3つの波があります。
麻酔中のモニターではP波・QRS波・T波が、正しい順番で、規則的に並んでいるかを監視する必要があります。
このリズムが崩れたり、波の形が変化する、波形がなくなるなど、ルールが崩れることは心臓の異変を知らせるサインになります。
2. 「縦の軸」は心臓の「電気代」?
面白い比喩として教えていただいたのが、心電図の縦軸の考え方です。
縦の軸は、いわば心臓の『電気代』。
心臓を動かすためにどれだけのエネルギー(電気)が使われているかを示します。
この『電気代』=QRS波の高さが急に変化していないかを見ることで、心臓のパワーの異変にいち早く気づくことができます。

3. 見逃せない「間隔」と「高さ」のサイン
麻酔管理において、特に注意すべきポイントを徹底的にチェックしました。
• P波とQRSの間隔: ここが伸びていないか?(伝導の遅れはないか)
• QRSの高さ: 以前と比べて変化していないか?
• ST波の変化: 高さが上がったり、下がったりしていないか?(心筋に負荷はかかっていないか)
麻酔をかける前や術中のわずかな変化を見逃さないことがわんちゃん・ねこちゃんの安全を守ることに直結するとあらためて感じたセミナーでした。
メーカー担当者様ならではの鋭い視点での講義を受け、スタッフ一同、より一層気を引き締めて日々のモニタリングに臨んでまいります。